神奈川県を中心に展開するステーキとハンバーグ専門店「ハングリータイガー」(横浜市保土ケ谷区)の業務管理部チームリーダー橋本恵美さん(44)は、24年前の秋のことを今でも覚えている。
国内でBSE(牛海綿状脳症)が発生し、テレビでは連日、倒れ込む牛の映像が流れ、牛肉は敬遠されるようになった。ハングリータイガーも大打撃を受けた。
橋本さんはその年の春に入社し、横浜駅西口の「相鉄ジョイナス店」(現在は閉店)で働いていた。潮が引くように客足が遠のき、1週間前までは満席だったのに、1、2席しか埋まらなくなった。
その年の12月。30あった店舗を保土ケ谷本店など3店舗まで減らし、土地や社員の大半を別会社に売却する方針が決まった。
当時社長だった創業者の井上修一会長(83)を含む10人ほどの社員で再出発することになった。
橋本さんは勤務していた店が存続したこともあって会社に残ったが、「残りたくても残れない仲間がたくさんいました」。
ファミレス草分けより早かった
ハングリータイガーの1号店…